マンション売却コラム

マンション売却をやめたい・やってはいけないこと

公開・更新:2026年10月18日/監修:宅地建物取引士 シュース健人(大阪府 第118737号)

売り出してみたものの「やっぱり売るのをやめたい」と迷うことは珍しくありません。やめられるかどうか、費用がかかるかどうかは、今どの段階にいるかで大きく変わります。あわせて、売却で後悔しないために避けたい行動と、売主が負う責任についても確認しておきましょう。

マンション売却をやめることはできる?段階別の整理

段階やめられるか主な注意点
査定を受けただけ自由にやめられる費用は通常かからない
媒介契約中(売り出し中)原則やめられる契約内容によっては実費の請求がありうる
売買契約の締結後条件付きで可能手付金の倍返しや違約金が発生する
引渡し後原則としてやめられない—

迷いがある場合は、売買契約を結ぶ前に結論を出すことが何より大切です。

媒介契約中に売却をやめたい場合

売り出し中であれば、不動産会社に売却活動の中止を伝えることで、原則として売却をやめられます。成約していない段階では仲介手数料は発生しません。

ただし、専任媒介・専属専任媒介の契約期間中に売主の都合で解除する場合、それまでに不動産会社が特別に依頼を受けて行った広告などの費用(実費)を請求されることがあります。国土交通省の標準媒介契約約款でもその旨の定めがあるため、契約書を確認しましょう。なお、専任・専属専任媒介の契約期間は最長3か月で、期間満了時に更新しなければ契約は終了します。また、不動産会社が報告義務を果たさないなど契約違反がある場合は、売主から解除できます。

やめずに見直すという選択肢

「売れないから疲れた」「担当者と合わない」という理由であれば、売却そのものをやめるのではなく、価格や売り方、依頼先を見直すことで解決できる場合もあります。賃貸に切り替える、買取で早く終わらせるといった方法も比較してみましょう。

売買契約後にやめたい場合|手付解除と違約金

売買契約を結んだ後は、売主の一方的な都合でやめるとお金の負担が生じます。

手付解除

一般的な売買契約では、相手方が契約の履行に着手するまで(または契約で定めた手付解除期日まで)であれば、売主は受け取った手付金の倍額を買主に支払う(手付倍返し)ことで契約を解除できます。たとえば手付金が200万円なら、受け取った200万円を返したうえで、さらに200万円を支払うことになります。

違約金

手付解除の期限を過ぎてから売主の都合で契約を履行しない場合は、契約違反として違約金を請求されます。違約金は売買代金の一定割合(たとえば10〜20%など)で定められることが多く、大きな負担になります。また、不動産会社への仲介手数料の支払いが必要になる場合もあります。

一方、住宅ローン特約(買主のローン審査が通らなかった場合に白紙解除できる特約)による解除のように、ペナルティなしで契約がなくなるケースもあります。

マンション売却でやってはいけないこと

  • 知っている不具合を隠す:雨漏りや水漏れ跡、設備の故障、近隣トラブルなどを告げずに売ると、後から責任を問われる原因になります。
  • 住宅ローン残高を確認せずに売り出す:売却額で完済できないと抵当権を抹消できず、引渡しができません。
  • 相場からかけ離れた価格で売り出し続ける:売れ残りの印象がつき、最終的な値下げ幅が大きくなりがちです。
  • 売却が決まる前に新居の契約を急ぐ:売却が遅れると二重のローンや資金不足に陥ることがあります。
  • 査定額の高さだけで不動産会社を選ぶ:根拠の薄い高値で媒介契約を取り、あとから値下げを迫られる例もあります。
  • 確定申告を忘れる:売却益が出た場合や、3,000万円特別控除などの特例を使う場合は、翌年に確定申告が必要です。
  • 内容を理解しないまま契約書に署名する:引渡し日、手付解除期日、契約不適合責任の期間などは必ず事前に確認しましょう。

売主が負う責任|契約不適合責任と告知義務

売主は、引き渡したマンションが契約の内容に適合しない場合に責任を負います(契約不適合責任)。買主は、修補の請求、代金の減額、損害賠償、契約解除などを求めることができ、原則として不適合を知った時から1年以内に売主へ通知する必要があります。

個人が売主の中古マンション売買では、特約で責任を負う期間を引渡しから数か月に限ったり、免責としたりすることが一般的です。ただし、売主が知りながら告げなかった事実については、特約があっても責任を免れることはできません。不具合や管理組合からの通知事項、過去の事故などは、物件状況報告書(告知書)に正直に記載しましょう。正確な告知は、買主のためであると同時に、売主自身を守ることにもつながります。

迷ったときの判断のポイント

売却をやめるかどうか迷ったときは、感情だけで決めずに、次の点を書き出して整理してみましょう。

  • 売却の目的は何だったか(住み替え・資金化・相続の整理など)、その目的は今も変わっていないか
  • 持ち続けた場合に毎年かかる費用(管理費・修繕積立金・固定資産税・ローン利息)
  • 今売った場合の手取り額と、数年後に売る場合に想定されるリスク(築年数の経過、金利の変動、修繕積立金の値上げなど)
  • 家族の同意が得られているか

目的が変わっていないのに売れないことが不安でやめたくなっている場合は、価格や売り方の見直しで解決できることが多いものです。逆に、目的自体がなくなったのであれば、無理に売る必要はありません。

大阪で売却を迷っている方へ

大阪では、都心部のマンションと郊外のマンションで売れるまでの期間や価格の動きが異なります。今売るべきか迷っている段階なら、売却をやめるかどうかを決める前に、現在の価格と手取り額、貸した場合の収支を一度比べてみるのがおすすめです。数字で比べると、売る・貸す・待つのどれが自分に合っているか判断しやすくなります。

GEEZにご相談いただく場合

マンション売却プロ(株式会社GEEZ)の無料査定はメールだけで完結し、営業電話はいたしません。査定を受けたからといって売却を約束するものではないので、「売るかどうか迷っている」段階でもご利用いただけます。

仲介では売主様の側に立って進め、契約書の手付解除期日や契約不適合責任の特約などもわかりやすくご説明します。仲介・買取(複数の買取業者から入札を集め、状態に応じて売り出し想定価格のおおむね6〜8割。交渉を行うため仲介手数料がかかります)・賃貸の比較もお手伝いします。契約解除や損害賠償など個別の法律問題は、弁護士などの専門家にご確認ください。

よくある質問

売り出し中にマンション売却をやめることはできますか?

原則としてやめられます。成約前なら仲介手数料はかかりませんが、専任媒介などの期間中に売主都合で解除すると、広告などの実費を請求される場合があります。

売買契約後にキャンセルするといくらかかりますか?

手付解除期日までなら、受け取った手付金を返したうえで同額を支払う(手付倍返し)ことで解除できるのが一般的です。期日を過ぎると違約金が発生します。

契約不適合責任はいつまで負いますか?

民法では買主が不適合を知ってから1年以内の通知が原則ですが、個人売主の中古マンションでは特約で引渡しから数か月に限ることや免責とすることが一般的です。ただし知っていて告げなかった事実は免責されません。

査定だけ受けて売らなくても大丈夫ですか?

はい。査定は売却の約束ではありません。価格を知ったうえで、売るか貸すか持ち続けるかを判断して問題ありません。

参考にした資料

税金・法律の扱いは個別の事情で変わります。最終的な判断は税務署・税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。

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