マンション売却コラム
マンション査定の方法|不動産会社はどこを見る?
公開・更新:2026年10月18日/監修:宅地建物取引士 シュース健人(大阪府 第118737号)
マンションの査定額は、不動産会社が「なんとなく」決めているわけではありません。周辺の取引事例を基準に、立地や築年数、部屋の条件などを一つずつ比べて算出しています。このページでは、マンション査定の方法と、不動産会社が何を見ているのかをわかりやすく解説します。
マンション査定の3つの方法
不動産の価格を求める考え方には、主に次の3つがあります。
| 方法 | 考え方 | マンションでの使われ方 |
|---|---|---|
| 取引事例比較法 | 似た物件が実際にいくらで取引されたかを基準に比べる | 自宅用マンション査定の中心 |
| 収益還元法 | その物件が生む家賃収入から価格を求める | 投資用・賃貸中のマンション |
| 原価法 | 今建て直したらいくらかかるかから、古くなった分を差し引く | マンション単体ではあまり使われない |
マンションは同じ建物や近くに似た物件が多く、取引の事例を集めやすいため、取引事例比較法が中心になります。同じマンション内で最近売れた部屋があれば、それが最も参考になる事例です。
査定の計算方法:取引事例比較法の流れ
取引事例比較法では、おおむね次の流れで査定額を出します。
- 同じマンションや近隣の似たマンションの成約事例を集める
- 事例の価格を面積で割り、1㎡あたりや1坪あたりの単価にそろえる
- 事例との違い(築年数、駅距離、階数、向き、室内の状態など)を加点・減点して調整する
- 調整後の単価に、査定する部屋の面積をかけて価格を出す
- 現在の市場の動きや売り出し中の競合物件を見て、最終的な価格に整える
成約事例のデータは、不動産会社が使う指定流通機構のレインズや、国土交通省の不動産情報ライブラリで公開されている取引価格情報などから集めます。売り出し価格ではなく、実際に成約した価格を基準にするのがポイントです。
不動産会社は査定でどこを見る?主な基準とポイント
立地
最寄り駅からの距離、路線や駅の利便性、周辺の生活施設などです。マンションの価格に最も大きく影響する要素の一つで、大阪市内では駅からの徒歩分数や沿線によって評価が大きく変わります。
築年数
築年数が進むほど価格は下がる傾向があります。また、1981年6月より前に建築確認を受けた旧耐震基準のマンションかどうかも確認されます。ただし、築年数だけで決まるわけではなく、管理や修繕の状態によって差が出ます。
建物と管理の状態
- 総戸数、構造、エレベーターや駐車場などの共用設備
- 管理会社の有無、管理員の勤務形態、共用部分の清掃状態
- 大規模修繕の実施状況、修繕積立金の残高や長期修繕計画
- 管理費・修繕積立金の水準
部屋の条件
- 専有面積と間取り
- 階数(一般に上の階ほど評価されやすい)、角部屋かどうか
- バルコニーの向き、日当たり、眺望
- 室内の状態(水回りの傷み、リフォームの有無)
法的・権利の条件
所有権か借地権か、ペット飼育の可否などの規約、賃貸中かどうかも価格に影響します。
机上査定と訪問査定の違い
| 種類 | 内容 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 机上査定(簡易査定) | 所在地、面積、間取り、築年数などのデータと事例から算出 | まず相場を知りたい人 |
| 訪問査定 | 実際に部屋を見て、室内の状態や眺望、管理状態を確認して算出 | 売却を具体的に考えている人 |
マンションは建物の情報がそろっていることが多いため、机上査定でもある程度の精度が出ます。ただし、室内の傷みやリフォームの状況、眺望などは実際に見ないと分からないため、売り出し価格を決める段階では訪問査定や写真での確認があると安心です。
査定額を正しく受け止めるコツ
査定額は「この価格なら3か月程度で売れる見込み」という不動産会社の意見であり、その価格で売れることを保証するものではありません。宅地建物取引業法では、不動産会社が売り出し価格について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならないと定められています。
- 根拠となる成約事例を見せてもらう
- なぜその加点・減点になったのか説明を求める
- 高すぎる査定額だけで会社を選ばない(売れ残って値下げを重ねる原因になります)
- 査定額、売り出し価格、実際の成約価格は別物だと理解する
根拠を丁寧に説明してくれる会社なら、売り出し後に反響が少ないときも、どこを見直すべきかを一緒に考えやすくなります。
査定額が上がりやすい点・下がりやすい点
| 上がりやすい点 | 下がりやすい点 |
|---|---|
| 駅に近い、複数路線が使える | 駅から遠い、バス便 |
| 高層階、角部屋、南向き、眺望がよい | 低層階で日当たりが悪い、前面に建物が迫る |
| 大規模修繕を実施済み、修繕積立金が十分 | 修繕が遅れている、積立金が不足している |
| 水回りなどを最近リフォームしている | 水回りの傷みや設備の故障がある |
| 管理員が常駐し、共用部分がきれい | 共用部分の汚れや放置物が目立つ |
立地や階数のように売主が変えられない点もありますが、室内の片付けや、修繕履歴などの資料をそろえることは今からでもできます。特に管理の良さは、資料がなければ査定に反映されにくいため、手元の書類を整理しておくことをおすすめします。
査定前に用意しておくとよいもの
- 購入時の売買契約書や重要事項説明書、パンフレット(面積や間取り、仕様の確認に役立ちます)
- 登記識別情報または権利証
- 固定資産税の納税通知書
- 管理規約、長期修繕計画、管理費・修繕積立金の金額が分かる書類
- リフォームの履歴が分かる書類
- 住宅ローンの残高が分かる書類
すべてそろっていなくても査定は受けられますが、情報が多いほど査定の精度が上がり、売り出し価格の根拠もはっきりします。
GEEZにできること
GEEZでは、同じマンションや近隣の成約事例をもとに、どこを加点・減点したのかがわかる形で査定の根拠をお示しします。仲介では売主様だけの立場で、相場の上限寄りから売り出しを検討します。早く売りたい場合は複数の買取業者の価格を比較でき(状態により売り出し価格の6〜8割程度が目安、交渉を行うため仲介手数料がかかります)、賃貸に出す場合の家賃の目安もお伝えできます。無料のオンライン査定はメールでのご回答のみで、営業電話はいたしません。
よくある質問
マンション査定は何を基準に計算されますか?
主に同じマンションや近隣の似たマンションの成約事例を基準にします。事例の単価に、築年数、駅距離、階数、向き、室内の状態などの違いを調整して価格を出します。
築年数は査定にどれくらい影響しますか?
築年数が進むほど価格は下がる傾向がありますが、立地や管理の状態、修繕の実施状況によって差があります。旧耐震基準かどうかも確認されます。
査定のときに掃除やリフォームをしたほうがいいですか?
リフォームまでは不要なことが多いです。査定額は室内の状態も見ますが、大きな工事をしても費用ほど価格が上がらない場合があります。片付けと簡単な掃除をしておけば十分です。
会社によって査定額が違うのはなぜですか?
選ぶ事例や加点・減点の考え方、売り出し戦略が会社ごとに違うためです。金額の高さだけでなく、根拠の説明に納得できるかで比較しましょう。
参考にした資料
税金・法律の扱いは個別の事情で変わります。最終的な判断は税務署・税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。
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