マンション売却コラム
旧耐震マンションの売却|売れない理由と売り方
公開・更新:2026年10月18日/監修:宅地建物取引士 シュース健人(大阪府 第118737号)
旧耐震マンションは「売れない」と言われがちですが、実際には条件を理解して売り方を工夫すれば売却できるケースが多くあります。この記事では、旧耐震マンションが敬遠される理由と、住宅ローン控除や耐震基準適合証明書など買主側の事情、具体的な売り方を解説します。
旧耐震マンションとは|1981年が分かれ目
建築基準法の耐震基準は1981年(昭和56年)6月1日に大きく改正されました。この日以降に建築確認を受けた建物が「新耐震基準」、それより前に建築確認を受けた建物が「旧耐震基準」の建物です。
注意したいのは、基準になるのが竣工日ではなく建築確認の日付だという点です。マンションは建築確認から完成まで1年以上かかることも多いため、1982年や1983年に完成したマンションでも旧耐震の場合があります。建築確認の日付は、建築確認済証や検査済証、管理会社の資料、自治体の建築計画概要書などで確認できます。
旧耐震マンションが売れない理由
- 地震への不安:大きな地震で被害を受けるのではないかという心理的な不安から、検討対象から外す買主がいます。
- 住宅ローン控除が使いにくい:買主が住宅ローン控除を受けるには、一定の耐震性を証明する書類が必要になる場合があります(後述)。
- 住宅ローンの審査:金融機関によっては旧耐震物件への融資に慎重で、借入額や期間が制限されることがあります。
- 築年数が古い:旧耐震マンションは築40年を超えており、給排水管や設備の老朽化、修繕積立金の状況も気にされます。
- 価格が合っていない:新耐震の物件と同じ感覚で価格を付けると、比べられたときに選ばれません。
つまり、旧耐震マンションが売れない理由は「建物が危ないから」だけではなく、買主のローンや税金の面で不利になりやすいことが大きく影響しています。
住宅ローン控除と耐震基準適合証明書
中古住宅を住宅ローンで購入した買主は、一定の要件を満たすと住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受けられます。中古住宅の場合、要件のひとつが耐震性です。
- 1982年(昭和57年)1月1日以降に建築された住宅は、新耐震基準に適合している住宅とみなされます。
- それより前に建築された住宅は、耐震基準適合証明書、既存住宅性能評価書(耐震等級1以上)、既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書などで耐震性を証明する必要があります。
旧耐震マンションの場合、マンション全体の耐震診断や耐震改修が行われていないと、耐震基準適合証明書を取得するのは現実的に難しいことが多いです。マンションは建物全体で耐震性を判断するため、一住戸の所有者だけで対応できるものではありません。管理組合で耐震診断を実施済みか、結果はどうだったかを確認してみましょう。
買主が住宅ローン控除を使えない場合、その分だけ実質的な負担が増えるため、価格面での配慮が必要になります。
旧耐震マンションの売り方
買主層を意識する
旧耐震マンションに関心を持つのは、住宅ローン控除よりも立地や価格を重視する方、現金で購入する方、リノベーションを前提に安く買いたい方、賃貸に出す投資目的の方などです。大阪市内の都心部や駅近の旧耐震マンションは、こうした買主から一定の需要があります。
管理状態と耐震の情報を開示する
耐震診断の有無と結果、長期修繕計画、大規模修繕の履歴、修繕積立金の残高などをそろえておきます。情報が少ないと不安が大きくなるため、わかることはあらかじめ伝えるほうが結果的に売れやすくなります。
価格は旧耐震の成約事例で考える
同じマンションや近隣の旧耐震マンションの成約事例を基準にします。国土交通省の不動産情報ライブラリでは取引価格の情報を確認できます。新耐震の物件と比べた割安感がないと、検討の土台に乗りにくくなります。
買取を検討する
一般の買主が見つかりにくい場合は、不動産会社による買取が有力です。買取業者は購入後にリノベーションして再販・賃貸することを前提にしているため、旧耐震でも買い取るケースが多くあります。価格は仲介より低くなるのが一般的ですが、早く確実に売れます。
売主側の税金の注意点
旧耐震マンションは長く所有していることが多いため、多くの場合は長期譲渡所得(売った年の1月1日時点で所有期間5年超、税率20.315%)になります。自宅として住んでいた場合は、要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。購入時の契約書がなく取得費がわからない場合は、売却価格の5%を取得費とする概算取得費で計算するため、書類を探しておくことをおすすめします。
旧耐震マンションの強みを整理する
旧耐震マンションには、弱点だけでなく強みもあります。売り出すときは、次のような点を買主に伝えられるよう整理しておきましょう。
- 立地:旧耐震のマンションは、都市の中心部や駅の近くなど、早い時期に開発された好立地に建っていることが多くあります。
- 価格:同じエリアの新耐震マンションより手頃な価格で購入でき、リノベーション費用を含めても予算内に収まりやすい点は大きな魅力です。
- 専有面積や間取り:住戸によっては、ゆとりのある面積や個性的な間取りを持つものもあります。
- 管理の実績:長年にわたって管理組合が機能し、大規模修繕を重ねてきたマンションは、その実績自体が安心材料になります。
大阪市内でも、都心部の旧耐震マンションを購入してリノベーションする買主は一定数います。こうした買主に届くよう、ポータルサイトの紹介文でも立地や管理状態を具体的に伝えることが大切です。
GEEZにできること
株式会社GEEZは、大阪・関西で旧耐震マンションの売却もお手伝いしています。
- 仲介:売主様だけの立場で、旧耐震でも評価されるポイントを整理し、査定価格帯の上限から売り出します。
- 買取:複数の買取業者から金額を集めて比較します。状態によって売り出し価格のおおむね6〜8割が目安で、早ければ1〜2週間で売却できます。交渉をGEEZが担うため仲介手数料がかかります。
- 賃貸:貸し出して運用する方法もご提案できます。
無料のオンライン査定はメールのみで対応し、営業電話はいたしません。
よくある質問
旧耐震かどうかはどうやって確認できますか?
建築確認の日付が1981年6月1日より前かどうかで判断します。建築確認済証や管理会社の資料、自治体で閲覧できる建築計画概要書などで確認できます。竣工日だけでは判断できない点に注意してください。
旧耐震マンションの買主は住宅ローン控除を使えませんか?
1982年1月1日より前に建築された住宅は、耐震基準適合証明書などで耐震性を証明できれば対象になり得ます。ただしマンションでは建物全体の耐震性が問われるため、取得が難しいことが多いです。
旧耐震マンションは住宅ローンを組めませんか?
組める場合もありますが、金融機関によって対応が異なり、借入額や期間に制限がつくこともあります。買主の資金計画に影響するため、売り出し前に不動産会社と確認しておくと安心です。
旧耐震マンションは買取のほうがよいですか?
立地や管理状態が良ければ仲介で売れることもあります。早く確実に売りたい場合や、室内の傷みが大きい場合は買取が向いています。両方の金額を比べて判断するのがおすすめです。
参考にした資料
- 国税庁 タックスアンサー No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)
- 国税庁 タックスアンサー No.3302 マイホームを売ったときの特例
- 国税庁 タックスアンサー No.3258 取得費が分からないとき
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ
税金・法律の扱いは個別の事情で変わります。最終的な判断は税務署・税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。
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