マンション売却コラム
マンションの売り時はいつ?時期・築年数・何年目
公開・更新:2026年10月18日/監修:宅地建物取引士 シュース健人(大阪府 第118737号)
マンションの売り時は「いつがいいか」と一言では決められず、季節・所有年数・築年数・ご自身の事情が重なって決まります。特に所有して何年目に売るかは税金に直結するため、時期を決める前に必ず確認しておきたいポイントです。この記事では、売却時期を判断するための目線を順番に整理します。
マンションの売り時は「4つの目線」で考える
マンション売却の時期を考えるとき、多くの方は「相場が高いうちに」と市況だけを気にします。しかし実際には、市況を正確に当てることはプロでも困難です。そこで、自分でコントロールできる要素から順に確認するのが現実的です。
- 季節:買主が動きやすい時期かどうか
- 所有年数:売った年の1月1日時点で5年超・10年超か(税金)
- 築年数:住宅ローンや買主の検索条件の境目にかからないか
- 自分の事情:住み替え、転勤、相続、ローン残高、家族の状況
このうち税金と築年数は「数字で確認できる」ため、まずここを押さえ、そのうえで季節や市況を見て売り出し時期を微調整する、という順番がおすすめです。
季節で見た売り時|1〜3月と4月以降
一般に、マンションの購入希望者が増えやすいのは新年度を控えた1〜3月です。転勤や進学、就職に合わせて4月から新居に住みたい方が、年明けから物件探しを本格化させるためです。秋(9〜11月)も、秋の異動や年内の引越しを目指す方がいるため比較的動きがあります。
逆算すると、春に買主の目に触れるには、査定・媒介契約・写真撮影などの準備を前年の秋から年末までに済ませておくと余裕があります。4月に入ると繁忙期の購入者はひと段落しますが、ゆっくり探す層が残るため、4月以降が売れない時期というわけではありません。季節要因は「少し有利になるかどうか」程度と考え、無理に待ちすぎないことも大切です。
引渡し時期にも注意
売買契約から引渡しまでは、買主の住宅ローン手続きなどで1〜2か月程度かかるのが一般的です。住みながら売る場合は、引越し先の確保とセットでスケジュールを組みましょう。
所有して何年目に売るか|5年・10年の税金ルール
売り時を考えるうえで最も影響が大きいのが、譲渡所得にかかる税金です。売却益(譲渡所得)が出た場合、税率は所有期間で大きく変わります。所有期間は「実際に持っていた期間」ではなく、売った年の1月1日時点で判定する点に注意してください。
| 区分 | 判定(売った年の1月1日時点) | 税率(所得税・復興特別所得税・住民税) |
|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 所有期間5年以下 | 39.63% |
| 長期譲渡所得 | 所有期間5年超 | 20.315% |
| 軽減税率の特例(マイホーム) | 所有期間10年超などの要件 | 課税譲渡所得6,000万円以下の部分は14.21% |
たとえば年の途中に購入した場合、購入からちょうど5年経った日に売っても、その年の1月1日時点ではまだ5年以下のため短期扱いになります。実質的には「購入した年の翌年から数えて6年目の1月1日以降」の売却で長期になると覚えておくと安全です。
ただし、自宅として住んでいたマンションであれば、居住用財産の3,000万円特別控除が所有期間に関係なく使える可能性があります。控除後に利益が残らなければ税金はかからないため、「5年を待つべきか」は、売却益がどの程度出そうかを試算してから判断しましょう。
築年数で見た売り時
築年数そのものに「この年数で売るべき」という正解はありませんが、買主側の事情から意識しておきたい境目があります。
- 新耐震基準かどうか:1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物は新耐震基準。旧耐震の物件は買主の住宅ローン控除や融資で条件が厳しくなる場合があります。
- 買主の検索条件:ポータルサイトでは「築20年以内」「築30年以内」などで絞り込まれることが多く、境目を超えると表示される機会が減ることがあります。
- 大規模修繕の前後:大規模修繕工事の直後は共用部がきれいで印象が良くなる一方、修繕積立金の値上げや一時金の予定がある場合は、買主に説明が必要になります。
築年数が進むほど価格は緩やかに下がる傾向がありますが、立地や管理状態がよいマンションは築年数が古くても需要があります。築年数だけで焦らず、管理組合の長期修繕計画や積立金の状況もあわせて確認しましょう。
2026年の市況と金利をどう考えるか
2024年以降、日本銀行の金融政策の変更をきっかけに、住宅ローン金利は上昇方向に動いています。金利が上がると買主が借りられる金額が減り、価格の上値が重くなる可能性があります。一方で、都市部の利便性の高いマンションは引き続き需要が根強い面もあり、物件によって状況はさまざまです。
市況の先読みで売り時を狙うより、「今売ったらいくらか」を知り、ご自身の資金計画と比べて判断するほうが失敗しにくいでしょう。大阪でも、駅近や再開発エリアと、郊外の駅から距離がある物件とでは動きが異なります。エリアごとの成約価格は国土交通省の不動産情報ライブラリでも確認できます。
売り時を逃しやすいケースと判断のコツ
- 空室のまま様子見を続ける:管理費・修繕積立金・固定資産税は毎年かかり続けます。
- 住み替え先を先に決めてしまう:売却が遅れると資金計画が崩れることがあります。
- 相続した物件を放置する:相続税の取得費加算の特例など、期限のある制度があります。
- 相場より高すぎる価格で出し続ける:売れ残りの印象がつき、結果的に値下げ幅が大きくなることがあります。
また、転勤や離婚、親の介護など、ご家族の事情で売却期限が決まっている場合は、相場よりも「いつまでに現金化できるか」を優先したほうが結果的に有利なこともあります。期限が近いほど値下げ交渉に応じざるを得なくなるため、早めに査定だけでも受けておくと選択肢が広がります。
判断のコツは、(1)税金の区分が変わる年を確認する、(2)現在の査定額と手取り額を把握する、(3)売り出してから3か月程度で反響を見て見直す、の3点です。
GEEZにご相談いただく場合
マンション売却プロ(株式会社GEEZ)では、大阪・関西のマンションについて、メールだけで完結する無料査定を行っています。営業電話はいたしません。査定額とあわせて、所有期間から見た税金の区分や、仲介・買取・賃貸それぞれの場合の考え方もお伝えできます。
仲介では売主様の側に立ち、相場の上限寄りから売り出して反響を確認する進め方を基本にしています。急ぎの場合は、複数の買取業者から入札を集める方法(状態に応じて売り出し想定価格のおおむね6〜8割、最短1〜2週間。交渉を行うため仲介手数料がかかります)もご提案できます。個別の税金や法律の判断は、税理士などの専門家にもご確認ください。
よくある質問
マンションは何月に売り出すのがいいですか?
新年度前に購入希望者が増えやすいため、1〜3月に買主の目に触れるよう、前年の秋から準備を始めるのが一般的です。ただし季節要因は限定的なので、ご自身の事情を優先して問題ありません。
購入から5年経てば長期譲渡になりますか?
いいえ。所有期間は売った年の1月1日時点で判定します。購入日から5年経っても、その年の1月1日時点で5年以下なら短期譲渡(税率39.63%)です。
自宅なら5年以内に売っても税金はかかりますか?
居住用財産の3,000万円特別控除は所有期間に関係なく適用できる場合があります。要件を満たし、控除後に利益が残らなければ譲渡所得税はかかりません。要件は国税庁の案内や税理士にご確認ください。
築何年までに売るべきという目安はありますか?
明確な基準はありません。ただ、ポータルサイトの検索条件(築20年・30年以内など)や大規模修繕の時期は売れ行きに影響することがあるため、境目の前に売り出すかどうかを検討する価値はあります。
参考にした資料
- 国税庁 タックスアンサー No.3208 長期譲渡所得の税額の計算
- 国税庁 タックスアンサー No.3211 短期譲渡所得の税額の計算
- 国税庁 タックスアンサー No.3302 マイホームを売ったときの特例
- 国税庁 タックスアンサー No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ
税金・法律の扱いは個別の事情で変わります。最終的な判断は税務署・税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。
あわせて読みたい
- マンション売却の税金|譲渡所得の計算と5年ルールマンション売却の税金を解説。譲渡所得の計算式、所有5年以内と5年超で変わる税率、10年超の軽減税率、取得費と減価償却の…
- マンション売却の3,000万円特別控除|条件と注意点マンション売却で使える3,000万円特別控除の条件と注意点を解説。住まなくなってからの売却期限、親族への売却の制限、共…
- 買い替え・住み替えでマンションが売れないときの対処マンションの買い替え・住み替えで今の家が売れないときの対処法を解説。売り先行と買い先行の違い、二重ローンやつなぎ融資の…
- 査定額と売却額の違い|売り出し価格はどう決める?マンションの査定額・売り出し価格・売却額(成約価格)はそれぞれ何が違うのか。売値の何割で売れるのかという考え方、売り出…

