マンション売却コラム

マンション売却の税金|譲渡所得の計算と5年ルール

公開・更新:2026年10月18日/監修:宅地建物取引士 シュース健人(大阪府 第118737号)

マンションを売って利益が出ると、譲渡所得税(所得税・復興特別所得税・住民税)がかかります。税額は利益の計算方法と所有期間で大きく変わり、特に「5年」と「10年」が節目です。この記事では、マンション売却の税金の計算手順と、押さえておきたいルールを解説します。

マンション売却で税金がかかるのは「利益」が出たとき

マンション売却の税金は、売却価格そのものではなく、売却で得た利益(譲渡所得)にかかります。譲渡所得は次の式で計算します。

譲渡所得=譲渡価額−(取得費+譲渡費用)

  • 譲渡価額:売却価格(固定資産税の清算金を受け取った場合はそれも含めます)
  • 取得費:購入代金や購入時の仲介手数料など。建物部分は減価償却後の金額になります
  • 譲渡費用:売却時の仲介手数料、売主が負担した印紙代など

計算の結果がマイナス(売却損)なら、譲渡所得税はかかりません。購入時より安く売る場合は、税金がかからないことが多いと考えてよいでしょう。不動産の譲渡所得は給与などとは分けて計算する分離課税です。

取得費の計算と減価償却

マンションの取得費は、土地(敷地権)部分と建物部分に分けて考えます。土地は値減りしないものとして購入価格がそのまま取得費になりますが、建物は年数の経過で価値が減るため、減価償却費を差し引きます。

自宅など事業に使っていない建物の場合、鉄筋コンクリート造のマンションは、法定耐用年数47年の1.5倍である70年を基準に、償却率0.015で計算します。

建物の取得費=建物の購入価格−(建物の購入価格×0.9×0.015×経過年数)

経過年数は、6か月以上の端数を1年、6か月未満を切り捨てて数えます。契約書で土地と建物の内訳が分からない場合は、消費税額から建物価格を割り戻すなどの方法があります。

取得費が分からないときは5%

購入時の契約書を紛失して取得費が分からない場合は、売却価格の5%を取得費とする概算取得費を使えます。ただし実際の取得費よりかなり少なくなることが多く、税額が大きく増える原因になります。売却を考え始めたら、まず購入時の書類を探しておきましょう。

5年以内か5年超か|所有期間で税率が変わる

譲渡所得の税率は、所有期間によって長期譲渡所得と短期譲渡所得に分かれます。所有期間は、売った年の1月1日時点で数えるのがポイントです。

区分所有期間税率(合計)内訳
短期譲渡所得売った年の1月1日で5年以下39.63%所得税30%・復興特別所得税0.63%・住民税9%
長期譲渡所得売った年の1月1日で5年超20.315%所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%

たとえば2021年4月に購入した場合、2026年1月1日時点ではまだ5年に届かないため、2026年中に売ると短期譲渡所得です。2027年1月1日には5年超となるため、2027年以降に売れば長期の税率になります。購入日から5年たった直後に売っても短期扱いになる点に注意してください。

相続したマンションの場合は、亡くなった方の取得日と取得費を引き継ぎます。

10年超の自宅なら軽減税率の特例も

自分が住んでいたマンションで、売った年の1月1日時点の所有期間が10年を超える場合は、居住用財産の軽減税率の特例を使える可能性があります。

課税長期譲渡所得税率(合計)
6,000万円以下の部分14.21%(所得税10%・復興特別所得税0.21%・住民税4%)
6,000万円超の部分20.315%

この特例は、居住用財産の3,000万円特別控除と併用できます。つまり3,000万円を差し引いても利益が残る場合に、残りの部分へ低い税率がかかる仕組みです。

税金の計算例

自宅以外(たとえば賃貸に出していた)マンションを売った例で、税金の流れを確認します。

  • 売却価格:3,000万円
  • 取得費(減価償却後):2,000万円
  • 譲渡費用(仲介手数料など):110万円
  • 所有期間:売った年の1月1日で5年超

譲渡所得は3,000万円−(2,000万円+110万円)=890万円です。長期譲渡所得の税率20.315%をかけると、税額は約180万円になります。同じ条件で短期譲渡所得なら39.63%で約352万円となり、所有期間の違いだけで大きな差が出ます。

なお、自宅として住んでいたマンションであれば、3,000万円の特別控除を適用できる場合があり、この例では税額がゼロになります。

所得税は確定申告、住民税は翌年に

マンション売却で譲渡所得が出た場合は、売った翌年の2月16日から3月15日までに確定申告をして所得税を納めます。3,000万円控除などの特例を使う場合も、税額がゼロになるかどうかにかかわらず確定申告が必要です。

住民税は確定申告の内容をもとに計算され、売却した翌年の6月ごろから納付が始まります。売却の翌年にまとまった住民税の通知が届いて驚く方もいるため、売却代金の一部は納税用に分けて残しておくと安心です。国民健康保険料など、所得をもとに決まる負担に影響が出る場合もあります。

税額は特例の要件や個別の事情で変わります。具体的な計算や特例の適用可否は、税務署または税理士にご確認ください。

税金を抑えるために売却前にできること

マンション売却の税金は、売り方や準備によって変わることがあります。売り出す前に、次の点を確認しておきましょう。

  • 購入時の売買契約書、仲介手数料や登記費用の領収書を探し、取得費を正しく計算できるようにする
  • 所有期間が5年の節目に近い場合は、売った年の1月1日時点で5年を超えるかどうかを確認する
  • 自宅として住んでいたかどうか、住まなくなってからの期間を整理し、3,000万円控除の対象になるか確認する
  • 売却時の仲介手数料、印紙代などの領収書を保管し、譲渡費用として漏れなく計上する

特に節目を意識するあまり、売れる時期を逃してしまうのは避けたいところです。価格の動きや住み替えの予定と合わせて、総合的に判断しましょう。

GEEZにご相談いただく場合

大阪・関西でマンション売却をお考えの方に、株式会社GEEZは仲介・買取・賃貸の3つの選択肢をご案内しています。仲介では売主様だけの立場で、査定の幅の上の方から売り出して高値を目指します。売り出し時期が所有期間の節目に近い場合は、引渡し時期の調整も含めてご相談ください。

無料のオンライン査定はメールのみでやり取りし、営業電話はいたしません。税金の最終判断は税理士・税務署にご確認いただく前提で、売却価格の目安と手取りの考え方をお伝えします。

よくある質問

購入価格より安く売った場合も税金はかかりますか?

取得費と譲渡費用の合計より安く売った場合は譲渡所得が出ないため、譲渡所得税はかかりません。ただし建物は減価償却で取得費が減るため、購入価格より少し安く売っても利益が出ることがあります。

5年ルールの所有期間はいつから数えますか?

取得した日から、売った年の1月1日までの期間で判定します。引渡し日ではなく契約日を取得日とすることも選べますが、どちらにするかは税務署または税理士にご確認ください。

住民税はいつ払いますか?

確定申告をもとに計算され、売却した翌年の6月ごろから納付が始まります。会社員の方は、給与からの天引きか普通徴収かの扱いもあわせて確認しておくと安心です。

相続したマンションの所有期間はどうなりますか?

亡くなった方の取得日を引き継ぎます。親が長く所有していたマンションであれば、相続してすぐに売っても長期譲渡所得になることが一般的です。

参考にした資料

税金・法律の扱いは個別の事情で変わります。最終的な判断は税務署・税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。

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