マンション売却コラム
マンション売却の確定申告|利益が出たとき・赤字のとき
公開・更新:2026年10月18日/監修:宅地建物取引士 シュース健人(大阪府 第118737号)
マンションを売った翌年は、確定申告が必要になる場合があります。売却益が出たときはもちろん、3,000万円控除を使うときや、赤字を他の所得と相殺したいときも申告が条件です。この記事では、マンション売却の確定申告について、利益が出たとき・赤字のときに分けて解説します。
マンション売却で確定申告が必要なケース
不動産の売却による所得は、会社員であっても年末調整では精算されません。次のような場合は、売った翌年に確定申告を行います。
| ケース | 確定申告 |
|---|---|
| 売却益(譲渡所得)が出た | 必要 |
| 3,000万円控除などの特例で税額がゼロになる | 必要(申告が特例の適用条件) |
| 売却損が出て、損益通算・繰越控除の特例を使う | 必要 |
| 売却損が出て、特例も使わない | 原則不要 |
申告期間は、売った年の翌年2月16日から3月15日までです(土日祝日にあたる場合は翌平日)。売った年は、原則として引渡しの日で判断しますが、契約の効力発生日を選ぶこともできます。
なお、確定申告をしなかった場合でも、不動産の売却は登記の情報などから税務署が把握できる仕組みになっています。売却の翌年に、税務署から譲渡所得に関するお尋ねの文書が届くこともあります。利益が出た場合や特例を使う場合は、期限内に正しく申告しておきましょう。
売却益が出たときの計算と取得費
売却益は、次の式で計算した譲渡所得です。
譲渡所得=譲渡価額−(取得費+譲渡費用)−特別控除
取得費は「減価償却」後の金額
マンションの取得費は、購入代金のうち土地(敷地権)部分はそのまま、建物部分は減価償却費を差し引いた額になります。自宅用の鉄筋コンクリート造マンションなら、建物の購入価格×0.9×0.015×経過年数が減価償却費の目安です。賃貸に出していた期間がある場合は、その期間は事業用の耐用年数で計算するなど扱いが異なります。
購入時の仲介手数料や登記費用、不動産取得税なども取得費に含められる場合があります。取得費が分からないときは売却価格の5%を使えますが、税額が増えやすいため、購入時の資料はできる限り探しましょう。
譲渡費用として差し引けるもの
- 売却時の仲介手数料
- 売主が負担した売買契約書の印紙代
- 売るために借家人に支払った立退料など
税率は、売った年の1月1日時点で所有期間5年超なら20.315%、5年以下なら39.63%です。
赤字(売却損)のときも確定申告すべき場合
マンション売却が赤字の場合、税金はかかりません。原則として確定申告も不要ですが、自宅の売却で一定の条件を満たすと、売却損を給与所得などと相殺(損益通算)し、引ききれない分を翌年以降3年間繰り越せる特例があります。所得税の還付や住民税の軽減につながるため、該当しそうな方は確認しておきましょう。
買い換えた場合の特例
マイホームを買い換えて譲渡損失が出た場合の特例です。主な条件は、売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていること、新居を一定期間内に取得し、償還期間10年以上の住宅ローンを組むことなどです。
住宅ローンが残っている自宅を売った場合の特例
買い換えをしない場合でも、売ったマンションに償還期間10年以上の住宅ローンが残っていて、ローン残高が売却価格を上回るときに使える特例があります。この場合、損益通算できる額は、ローン残高から売却価格を引いた額が上限です。所有期間5年超などの条件もあります。
いずれの特例も、繰越控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であることなどの要件があります。
確定申告の必要書類と手順
一般的に準備する書類は次のとおりです。
- 確定申告書(第一表・第二表)と分離課税用の第三表
- 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)
- 売却時・購入時の売買契約書の写し
- 仲介手数料など譲渡費用の領収書の写し
- 登記事項証明書など(特例を使う場合に求められることがあります)
- 損失の特例を使う場合は、住宅ローンの残高証明書など
申告書は、国税庁の確定申告書等作成コーナーを使うと、画面の案内に沿って作成できます。マイナンバーカードがあればe-Taxで提出でき、税務署へ出向く必要もありません。
大阪で売却した場合でも、申告先は売却物件の所在地ではなく、申告する方の住所地を管轄する税務署です。
申告後に注意したいこと
- 住民税は確定申告をもとに計算され、翌年6月ごろから納付が始まります
- 国民健康保険料など、所得をもとに決まる負担に影響が出る場合があります
- 期限を過ぎると無申告加算税や延滞税がかかることがあります
- 3,000万円控除など特例の多くは、期限内に申告しないと使えない、または不利になることがあります
特例の適用可否や計算は、個別の事情で結論が変わります。不安な点は、税務署の相談窓口または税理士にご確認ください。
計算例|利益が出たときと赤字のとき
利益が出たとき
自宅マンションを3,500万円で売り、減価償却後の取得費が2,600万円、仲介手数料などの譲渡費用が120万円だった場合、譲渡所得は3,500万円−(2,600万円+120万円)=780万円です。3,000万円控除を使えば課税される所得はゼロになりますが、特例を受けるために確定申告が必要です。
赤字のとき
自宅マンションを2,000万円で売り、取得費と譲渡費用の合計が2,600万円だった場合は、600万円の譲渡損失です。税金はかかりませんが、売却時に住宅ローン残高が2,300万円あり、所有期間などの要件を満たせば、ローン残高から売却価格を引いた300万円を上限に、給与所得などと損益通算できる可能性があります。損益通算で引ききれない分は、翌年以降3年間繰り越せます。
どちらの場合も、売却時点で計算の材料をそろえておくと、翌年の申告がスムーズです。売買契約書、精算書、領収書は1つのファイルにまとめておきましょう。
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無料のオンライン査定はメールのみのやり取りで、営業電話はいたしません。税額の確定は税理士・税務署にお任せいただく前提で、売却価格の目安と手取りの考え方をご説明します。
よくある質問
会社員でもマンション売却の確定申告は必要ですか?
必要です。不動産の譲渡所得は年末調整の対象外のため、利益が出た場合や特例を使う場合は、ご自身で確定申告を行います。
赤字なら確定申告はしなくてよいですか?
税金はかからないため原則不要です。ただし自宅の売却で損益通算・繰越控除の特例を使える場合は、申告することで所得税の還付などを受けられる可能性があります。
購入時の契約書をなくしてしまいました。
取得費が分からない場合は売却価格の5%を取得費にできますが、税額が増えやすくなります。通帳の記録や当時の不動産会社の資料など、購入価格を示せるものがないか探してみてください。扱いは税務署または税理士にご確認ください。
確定申告はいつまでですか?
売った年の翌年2月16日から3月15日までです。期限が土日祝日にあたる場合は翌平日になります。
参考にした資料
- 国税庁 タックスアンサー No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)
- 国税庁 タックスアンサー No.3261 建物の取得費の計算
- 国税庁 タックスアンサー No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき
- 国税庁 タックスアンサー No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき
- 国税庁 確定申告書等作成コーナー
税金・法律の扱いは個別の事情で変わります。最終的な判断は税務署・税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。
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