マンション売却コラム

マンション売却の3,000万円特別控除|条件と注意点

公開・更新:2026年10月18日/監修:宅地建物取引士 シュース健人(大阪府 第118737号)

自分が住んでいたマンションを売って利益が出た場合、一定の条件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける特別控除があります。多くの自宅売却で税金がゼロになる心強い制度ですが、期限や対象外になるケースもあります。この記事では、3,000万円控除の条件と注意点を整理します。

3,000万円特別控除とは

正式には「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といいます。自宅(マイホーム)を売ったときに、所有期間の長さに関係なく、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。

譲渡所得=譲渡価額−(取得費+譲渡費用)−特別控除3,000万円

たとえば譲渡所得が2,000万円なら、控除後はゼロとなり、所得税・住民税はかかりません。所有期間5年以内の短期譲渡所得でも使えるため、税率の高い短期売却ほど効果が大きくなります。

この特例は、売却価格ではなく譲渡所得(利益)から差し引く点に注意してください。売却価格が3,000万円を超えていても、利益が3,000万円以下であれば、課税される所得はゼロになります。反対に、そもそも利益が出ていない場合は、控除を使う必要はありません。購入時より値上がりしたマンションや、取得費が分からず5%で計算せざるを得ないマンションほど、この特例の効果が大きくなります。

特別控除を受けるための主な条件

マンション売却で3,000万円控除を使うための主な条件は次のとおりです。

  • 自分が住んでいるマンションを売ること。住まなくなった場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 売った年の前年・前々年に、この特例やマイホームの買換え特例などを受けていないこと
  • 売った年・前年・前々年に、マイホームの譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例を受けていないこと
  • 親子や夫婦、生計を一にする親族など、特別な関係がある人への売却ではないこと
  • この特例を受ける目的だけで入居した住まいや、仮住まい・別荘などではないこと

住民票を移しているかどうかだけで判断されるわけではなく、実際に生活の拠点として住んでいたかどうかが問われます。

注意点1|住まなくなってからの期限

転勤や住み替えで空室になったマンションでも、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売れば対象になります。たとえば2024年5月に転居した場合、3年を経過する2027年5月を含む年の12月31日、つまり2027年12月31日が期限です。

この期限を過ぎると控除が使えなくなり、税額が数百万円単位で変わることもあります。期限が近いのに売れていない場合は、価格の見直しや買取の検討など、早めに手を打つことが大切です。なお、空室の間に賃貸に出していても期限内であれば適用できるとされていますが、個別の判断は税務署または税理士にご確認ください。

注意点2|共有名義・夫婦で持っている場合

夫婦などの共有名義のマンションは、要件を満たせば共有者それぞれが3,000万円の控除を受けられます。2人とも住んでいれば、合計で最大6,000万円まで差し引ける計算です。

一方、持分を持っていても実際には住んでいなかった共有者は、控除を受けられません。共有名義のマンションを売る場合は、各共有者の居住実態を整理しておきましょう。

敷地権も一緒に対象になる

マンションは建物と敷地権(土地の持分)をセットで売るため、土地部分も含めて控除の対象になります。

注意点3|他の特例・住宅ローン控除との関係

3,000万円控除は、所有期間10年超の居住用財産の軽減税率の特例とは併用できます。控除後も利益が残る場合、残りの部分に低い税率がかかります。

一方、次の制度とは併用できない、または選択になるものがあります。

  • 特定のマイホームを買い換えたときの特例(課税の繰延べ)とは選択適用
  • 新居で受ける住宅ローン控除:入居した年やその前後の一定期間にこの特例を使うと、住宅ローン控除が受けられなくなります

買い替えで新居を購入する場合、3,000万円控除で今回の税金をなくすか、住宅ローン控除を優先するかで、トータルの負担が変わります。売却益の額やローンの借入額によって有利な方が異なるため、事前に税理士または税務署へ相談して試算しておくことをおすすめします。

税額ゼロでも確定申告は必要

3,000万円控除は、確定申告をしなければ適用されません。控除によって税額がゼロになる場合でも、売った翌年の2月16日から3月15日までに確定申告を行います。

申告では、譲渡所得の内訳書や売買契約書の写しなどが必要です。売却代金が1億円を超える場合など、住民票の写しなど追加の書類を求められることがあります。購入時と売却時の契約書、仲介手数料の領収書は、まとめて保管しておきましょう。

制度の要件は改正されることもあります。個別のケースについては、必ず税務署または税理士にご確認ください。

3,000万円控除が使えない主なケース

次のような場合は、3,000万円特別控除の対象外になるか、適用が難しくなります。

  • 投資用・賃貸用として購入し、自分は住んでいなかったマンション
  • 週末だけ使うセカンドハウスや別荘
  • 住まなくなってから3年目の年末を過ぎて売った場合
  • 配偶者や親子、生計を一にする親族、同族会社などへの売却
  • 前年・前々年に同じ特例や買換え特例などを使っている場合
  • 住宅の新築期間中だけの仮住まいや、特例を受ける目的で一時的に入居した住まい

また、建物を取り壊して土地だけを売る場合などには別の要件があります。マンションでは通常、建物と敷地権をあわせて売るため、自宅として住んでいたかどうかと期限が主な確認点になります。

計算例で見る効果

自宅マンションを4,000万円で売り、取得費と譲渡費用の合計が2,500万円だった場合、譲渡所得は1,500万円です。所有期間5年以内なら税率39.63%で約594万円の税金がかかる計算ですが、3,000万円控除を使えば課税される所得はゼロになります。控除の有無で手取りが大きく変わることが分かります。

大阪でマンションを売る方へ|期限を意識した売却計画

大阪市内や北摂など、転勤・住み替えが多いエリアでは、空室のまま様子を見ているうちに3年の期限が近づいてしまうケースがあります。賃貸に出すか売るかを迷っている場合も、控除の期限を一つの判断材料にするとよいでしょう。

株式会社GEEZは大阪・関西で、仲介・買取・賃貸のどれが合うかを一緒に考えます。仲介では売主様だけの立場で高値を目指し、期限が迫っている場合は複数の買取会社から価格を集める買取(相場の6〜8割程度が目安、最短1〜2週間、仲介手数料がかかります)もご提案できます。無料のオンライン査定はメールのみで、営業電話はいたしません。

よくある質問

所有期間が短くても3,000万円控除は使えますか?

使えます。所有期間の要件はないため、5年以内の短期譲渡所得でも適用できます。ただし、控除を受けるためだけに入居したと認められる場合は対象外です。

転勤で空き家になったマンションでも使えますか?

住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売れば、対象になり得ます。期限を過ぎると使えないため、早めに売却計画を立てましょう。

親や子どもに売る場合も控除できますか?

親子や夫婦、生計を一にする親族など特別な関係がある人への売却は対象外です。

相続したマンションにも3,000万円控除は使えますか?

相続人自身が住んでいない場合、この居住用財産の特例は使えません。別に、相続した空き家に関する特例がありますが、主に一戸建てを対象とした制度で、マンションは対象外とされています。詳しくは税務署または税理士にご確認ください。

参考にした資料

税金・法律の扱いは個別の事情で変わります。最終的な判断は税務署・税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。

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